24: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2018/04/09(月) 00:16:02.29 ID:BEFLqt5g0
『うん…うん、そっか』
私達は、もっともっとお話をした。この一年の、二人で過ごした時間の話。話していると、全てが懐かしくて新しくて、出来ることならもう一度、なんてことも思ってしまう。
気がつけば日付は変わっていて、私の誕生日は終わり、私達が出会った日になっていた。そこで、彼が私に問いかけてくる。
『明日さ、比奈はオフだよね?』
「はい? そうっスけど…」
『渡せなかったプレゼント、渡しにいくよ』
「え…いやいやそんな! もう十分っスよ!」
『まだ何も渡してないけど』
そっちがそうでも、こっちはもうたくさんもらいすぎている。これ以上は私の体と心では抱えきれない。
『僕も明日は、少し楽になるからさ。仕事が終わったら、連絡するよ。夕方くらいになると思う』
「ああ…はい…じゃあ…」
固辞して無碍にするのも、私には出来ない。
『うん。じゃあまた。おやすみなさい』
「はい、おやすみなさいっス…」
電話を切る。夜風は冷たくて、このままだと風邪を引くかも。でも、私は部屋には入れなかった。心臓はうるさいし、体はこんなに熱いのに、こたつになんて入れるわけがないだろう。
気持ちが落ち着くまで、私は夜風に当たることにした。
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