15: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2018/04/09(月) 00:10:17.53 ID:BEFLqt5g0
チクタクと、時計の秒針の音をBGMに、私は昨日投げかけられた言葉を思い返していた。
『比奈にもいつか、きっと夢が見つかるって!』
これは、夢じゃあないだろう。私はアイドルに憧れたことなんか、一度もない。
でも。アイドルになることが夢じゃなくても、さっきとは打って変わって、「やりたくない」とは、言いたくなかった。
「このままじゃ嫌だ」「逃げたくない」「弱い自分と向き合いたい」「自分で描いた物語のようにキラキラしたい」「今とは違った自分になりたい」…そんな思考が、私を内から奮い立たせる。今まで見えていたのに無視してきた思考が、今になって力をくれるような感覚を覚えた。
「………やりまス」
「…!」
「アタシ、アイドル、やってみようと思いまス」
気がついたら口が動いていた。思考がはっきりとしないまま同意をすると、目の前の彼の瞳が、今まで以上に輝きだした。
「本当ですか!!」
ありがとうございますと、彼はまた頭を下げる。安心と満足を詰め込んだ表情の彼を見ると、なぜかこっちの心も満たされるようだった。
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