14: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2018/04/09(月) 00:09:45.32 ID:BEFLqt5g0
「アタシが…」
私は自分の事を、社会の片隅で、コッソリ生きていくのが性に合っている人間だと思っていた。漫画を描いて、食べて、寝てれば幸せな生き物なのだと、そう思っていた。
歌はアニソンしか知らない。運動はてんでダメ。人を楽しませるような会話力も、誰かを惹きつけるようなカリスマ性もない。そんな、こんな私が。
「アイドル…」
「はい」
彼は、私に向かって深々と頭を下げた。下げすぎてテーブルにおでこをぶつけていた。「いってぇ…」と零してまた顔を上げた。
「どうか、考えてくれませんか?」
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