新入部員の如月千早さん
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2:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:14:18.14 ID:ti9kriyWo
「入部届けは既に、顧問の先生に提出してきました。今日から早速、練習に参加させていただければと」

見学に来てくれたの、と聞いた二年生に千早さんはそう答えました。
見学ではなく、もう入部してくれた。
それを知って、私たちは素直に喜びました。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:15:14.13 ID:ti9kriyWo
出身中学はどこか、合唱の経験はあるのか、得意なパートはどこか。

千早さんは真面目に答えてくれました。
そしてその答えを聞くうちに、なんだかすごい子が入ってきてくれたぞ、という空気になっていきました。
私はもっとこの子に質問をしたいと思い、色々と聞きました。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:16:41.91 ID:ti9kriyWo
着替えを済ませた私たちは、予定していた練習を始めました。
筋トレや柔軟を、千早さんに教えながら。
もちろん教えるとは言っても、ここの部活でやっているメニューを教えただけです。
それぞれのやり方自体は、千早さんは全部知っていました。
でもそのくらいは、千早さんへの質問を通して大体わかっていたので、私たちも特に驚きはしませんでした。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:20:32.74 ID:ti9kriyWo
絶対、この中で千早ちゃんが一番上手だよね。
三年生の子が笑いながら言ったその言葉に、みんなも笑って頷きました。
もちろん私もです。
私たちの中の誰より、千早さんの歌の実力が一番上。
嫌味でもなんでもなく、本当にそう思いました。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:21:57.00 ID:ti9kriyWo
一人の子が、
せっかくだし私たちの合唱の感想を聞かせて欲しい、と言った時です。
千早さんは考えるように黙ってから、静かに、こう答えました。

「……そう、ですね。もう少し、基礎を徹底した方が良いかと」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:22:48.72 ID:ti9kriyWo
ちょっと、真面目すぎじゃない……?

千早さんが一人で先に帰ったあとの部室で、二年生の子がそう呟きました。
そして、誰も否定しませんでした。
それだけではありません。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:24:22.05 ID:ti9kriyWo
翌日の部活。
みんなが千早さんを無視するだとか、虐めるだとか、
私が心配していたようなことにはなっていませんでした。
ただやっぱり、空気が少しピリッとするような時が何度かありました。

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:26:17.69 ID:ti9kriyWo
そんな日が何日か続きました。
千早さんはずっと変わらず、上を目指すための努力を続けていました。
そしてそれと同じだけの努力を私たちもするべきだと、言い続けていました。

「合唱は、一人の実力が飛び抜けていても評価されません。全員に同程度の実力が求められるんです」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:51:21.83 ID:ti9kriyWo
ある日、私は顧問の先生から、合唱曲の一覧が載ったプリントを貰いました。
コンクールで歌う曲を選ぶように、と。

先生の指示どおり、その日の部活を曲選びにあてることにしました。
一覧を眺めると、色々な合唱曲が載っていましたが、私はすぐに、いくつかの候補に絞りました。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:53:04.89 ID:ti9kriyWo
これは難しすぎるよ。
私たちには無理だよ。
他の曲にしよう?

しかしそんな私たちと対照的に千早さんは眉をひそめました。
以下略 AAS



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