6:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 21:21:57.00 ID:ti9kriyWo
一人の子が、
せっかくだし私たちの合唱の感想を聞かせて欲しい、と言った時です。
千早さんは考えるように黙ってから、静かに、こう答えました。
「……そう、ですね。もう少し、基礎を徹底した方が良いかと」
ドキッと心臓が跳ねたのが自分で分かりました。
まさか新入部員にダメ出しをされるだなんて、全然想像もしていなかったからです。
でもそれだけでは終わりませんでした。
千早さんは、私たちの合唱に足りない点を一つ一つ説明し始めたんです。
どのパートの何がどう駄目だったから、もっとこういう練習をして何を鍛えた方がいい……。
細かなところは覚えていませんが、そういうふうなことを、丁寧に。
私は本当に驚きました。
でも同時に、本当にすごいとも思いました。
すごい一年生が入ってきた。
この子の真面目さと実力があれば、
もしかしたら次のコンクールではもっと上の賞を取れるかも知れない。
今まで上を目指したことなんてなかったけど、もしかしたら……と。
でも、そんなふうに純粋にすごいと感じたのは、私だけのようでした。
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