「それでは、勇者の面接を始めます」
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65: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/04/13(金) 16:41:55.03 ID:/2tjzfVC0

大司教「言ったじゃろ?教会は寛大なんじゃよ」

行政官「しかし、彼は悔い改めているようには見えませんでしたが?」

大司教「そう見えたか」

行政官「ええ」

大司教「あの男は、人を見る目には自信があるといっておったが。悪党や善良な市民の懺悔を、日々分け隔てなく聞いている儂の鑑識眼には適うまい」

大司教「魔王退治は自分のためだと言っておったが、あれは照れ隠しじゃな」

大司教「悪事を積み重ねてきた自分が、世界平和を為そうとすること恥じている。恥じながらも尚、それを為そうとせざるを得ない。含羞の男というわけじゃ」

行政官「ちょっと、深読みしすぎでは・・・?」

大司教「おや、儂の目を疑うのか?ならば、これまで儂らがしてきた審議の正当性に疑いが深まるのう」

剣聖「・・・ずるい言い方だ」

行政官「まったくもって」

行政官「しかし、たとえ教会が許したとしても彼に特赦を与えるなど・・・」

大司教「制度上それができるから、奴はこの面接を受けに来たのであろう?それに気づかぬお主でもあるまい」

行政官「・・・」

行政官「・・・そうですね。彼の推薦人は司法長官の遠縁にあたる貴族です」

剣聖「ならば、奴の握っていた情報というのは司法長官の・・・」

行政官「あくまで推論ですが。まあ、そういうことなら制度上は可能になるでしょう・・・法的にも問題ありません」

大司教「じゃろう?なれば、お主の行政官としての立場からの意見にはその根拠が無いというわけじゃ」

行政官「では、私の意見は倫理的な意見としてお受け止め下さい」

大司教「倫理か、倫理ならばこそ儂の領分じゃ。教会が許すと言っておるのじゃぞ?これ以上のお墨付きはあるまい?」


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