41:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:24:57.66 ID:hubJQ1Qe0
忍野「誰ですかそれ、そんな人心当たりがありませんねぇ」
阿良々木「曲がりなりにも君の叔父さんだろ……」
忍野「良いから早く聞かせてくださいよ、その怪談」
42:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:26:18.79 ID:hubJQ1Qe0
阿良々木「でもまぁ、2歳児の交友関係なんて、保育園にでも行っていない限り、殆ど親の交友関係に影響されるもんだから、その時の僕の交友関係の狭さで僕を責められても困る」
忍野「珍しいですね、阿良々木先輩が責任転嫁なんて。いつもなら背負う必要のないものまで背負おうとして、潰れちゃうのが貴方らしいのに」
阿良々木「そこまでのお人好しでは、断じてない」
43:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:27:23.82 ID:hubJQ1Qe0
忍野「いやぁ、残念。ここで言いくるめられてくれたら、晴れて私も阿良々木ハーレムの仲間入りだったのになぁ」
阿良々木「そもそもそんなものを結成した覚えはない」
阿良々木「んで、続きだけど、そんな友達の居ない僕は、大抵庭で遊ぶか、居間で読書して居たらしい」
44:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:28:30.23 ID:hubJQ1Qe0
阿良々木「はぁ、じゃあ続けるよ。そんな1人遊びばかりだった僕が、ある日急に自室で遊ぶようになったらしい。夕飯時には降りてくるから、引きこもりとかではなさそう、と余り心配はされていなかった」
忍野「まぁ、ご家族からしたら、今でも時折妹のヌイグルミ持ち出してセクハラしたり、自室で1人、影に向かって喋ってる痛い長男でしょうけど」
阿良々木「しかし、しばらくそんな日が続くと、放任主義の両親も、流石に気になったのか、何をしているのかと尋ねたんだ」
45:名無しNIPPER[sage]
2018/03/31(土) 23:30:58.77 ID:hubJQ1Qe0
忍野「怪しい奴の話、と言う意味での怪談だったんですねぇ。まんまと騙されました」
阿良々木「どういう意味だ」
忍野「だってあれでしょ、今の話って要するに、友達の居ない阿良々木少年が、寂しさを埋めるためにイマジナリーフレンドを作り出した、というお話でしょう?」
46:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:32:15.47 ID:hubJQ1Qe0
阿良々木「全てに心が篭っていないぞ!」
忍野「ま、それはそれとして。阿良々木先輩の妄想でない根拠はあるんですか?その時の事を、ご自身では覚えていらっしゃらないんでしょう?」
阿良々木「うん、確かに明確に否定できるかと言われれば難しいよ。そもそも『友達』が存在しなかった事を証明するなんて、悪魔の証明だ」
47:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:33:18.83 ID:hubJQ1Qe0
忍野「まぁ、ご友人方は存在したとしても、私と言う存在を生み出してしまった貴方に、イマジナリーフレンド説を完全に否定する事は出来ませんよ」
阿良々木「それは……」
忍野「それでももし、ポジティブな考え方をしたいのであれば、座敷童だったと言うことにでもしておきましょう」
48:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:34:23.06 ID:hubJQ1Qe0
忍野「座敷童にせよ、イマジナリーフレンドにせよ、昔から幼女と遊んでばかり居たんですね、阿良々木先輩は」
阿良々木「イマジナリーフレンドは男児かも知れないだろ」
忍野「嫌だなぁ、阿良々木先輩に同性の友達が出来るわけないじゃないですか」
49:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:35:40.76 ID:hubJQ1Qe0
忍野「言っちゃって良いんですかね、本当に。まぁ、他ならぬ阿良々木先輩が知りたいと仰るのであれば、お教えする事もやぶさかではありませんが」
阿良々木「何だよ、ここまで来て、やっぱ良いやと引きさがれるほど物分りのいい僕じゃないぞ」
忍野「その物分かりの悪さが今まで悲劇を引き起こして来たと、学んだのではなかったのですか?」
50:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:36:51.03 ID:hubJQ1Qe0
阿良々木「つまり、僕の妄想が怪異化したと言うのか?」
忍野「その通りです。あれれー、こんな話を前にもどこかで聞きましたねー?」
阿良々木「名探偵ばりの態とらしい気付きをするな。……そこまで言われれば大体解ったよ」
51:名無しNIPPER
2018/03/31(土) 23:37:42.86 ID:hubJQ1Qe0
阿良々木「でもそうなると、十数年も一体何をしていたんだ?」
忍野「一度は消滅したんですよ、妹さんが生まれて、その世話を焼くうちに寂しさは忘れられていき、私もまた忘れられました」
忍野「だから、私が貴方にした一連の出来事は復讐の意味もあったのかも知れませんね」
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