77:名無しNIPPER[saga]
2018/03/28(水) 17:36:35.27 ID:+0zrf0Mn0
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「おお、如月君。調子はどうかね?」
「調子ですか。悪くはない、と思います」
「伸び悩んでいるのかね?」
「……ひと月近く前から、歌声が全く変わっていない気がするんです」
そう打ち明けると、社長は真面目な顔で話を聞いてくれた。
「如月君は最初から高い実力があったからね。そろそろ、目に見えた変化は少なくなる時期だろう」
「壁を越えようにも、その壁が分からないんです」
「そうだな……時間もあるし、私が少し見てあげよう」
「え?」
「まぁ任せたまえ、たまには違う視点から見るのも効果があるものだ」
容赦なく指摘をされ、疲れ果てて帰った夜は、久しぶりの充実感に見舞われた。
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