487:名無しNIPPER[saga]
2018/06/07(木) 03:27:44.54 ID:2wO2LAJL0
事務所を後にして、目的の場所へ向かう。
西日になりかけた光が顔を刺す。
学校帰りの子ども達が、わいわいはしゃぎながら走り抜ける。
楽しそうな声を聞きながら。
もしかしたら、私とあの子もこんな日を送っていたのかもしれないと。
有り得ない過去に想いを馳せる。
けれど。
有り得なかったから、あの子はそこにいて。
有り得なかったから、私はここにいて。
有り得なかったから、あの子は眠っていて。
有り得なかったから、私は、歌うのだ。
人生に"たられば"は、ある。
でもそれは想像の、もしもの世界だけで。
この世界には、どこにもない。
この世界には、歩んできた、確定した過去と。
何も見えない、何も決まっていない未来しか、ないのだから。
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