424:名無しNIPPER[saga]
2018/04/17(火) 16:46:06.94 ID:90dRlIqZ0
「いやあ、千早は話が早くて助かるよ」
「え……?」
私の肩を、プロデューサーの手がぽんぽんと叩く。
下げていた頭を起こすと、目の前の二人はにこにこと笑っていた。
「実はもう一つ、ご依頼があってね」
「詞を、千早に書いてほしいそうだ」
プロデューサーの言葉に、初老近い作曲家の方は、少し皺を浮かべて笑った。
如月千早のための歌なのだから、如月千早の想いを込めてほしいと。
「奇しくも、お互いに同じことを考えていた、ってわけだ」
「いいんでしょうか、私で」
「たった今この口で、自分にやらせてくださいって言ったじゃないか」
「あぐ、あう」
「今更ノーは許されないぞ、千早」
プロデューサーが意地悪そうな笑みを浮かべて、私の両頬をぐっと押す。
不安を口にしようにも、まともに発音できなかった。
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