421:名無しNIPPER[saga]
2018/04/17(火) 16:44:00.37 ID:90dRlIqZ0
次の瞬間。
パチリ、と。
私の中で、ピースがはまる音がした。
機材の電源を落とすプロデューサーに、後ろから声をかけた。
「プロデューサー、さっき事務所で話そうとしたことですけれど」
「なんだ?」
「私、したいことが見つかったんです」
パソコンから取り出したCD-ROMを胸元に抱える。
大切に持ちながら、電話に遮られた話をする。
「へえ、何をしたいんだ」
「伝えたいんです、春香に」
さっき聴いた旋律を思い出す。
一度聴いただけなのに、脳裏から離れないメロディ。
それを思い浮かべるたびに、春香との日々を思い出す。
そして、彼女が最後に願ったことを。
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