419:名無しNIPPER[saga]
2018/04/17(火) 16:41:17.75 ID:90dRlIqZ0
初めに聴こえたのは、ピアノの旋律だった。
優しく、私を抱きとめるような音が聴こえた。
暖かい音が、耳から全身へと伝わっていく。
「ダメです。この曲は」
私は、反射的にそう答えていた。
「ダメって、お前……」
プロデューサーが不意をつかれたような顔をする。
作曲家の方は表情を変えず、私をまっすぐ見つめる。
「この子は、ダメです」
こんなに優しくて、こんなに暖かくて。
「この子は、私のところなんかに来ては、ダメなんです」
こんなに、愛おしい子は。
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