281:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 03:47:36.15 ID:UnTjGLwD0
「毎日毎日、自分なりに試行錯誤してた。ボイトレしたり、振り付けを真似したり」
「でもこんな体質だからな。アイドルを目指すのは愚か、レッスンを受けることすら叶わなかった」
「オーディションのチラシや新人アイドルの番組を見ながら、悔しそうにしてることも多かった」
「そんな春香に感化されたのかな。進路思いつかなかったから、じゃあ芸能業界でも行ってみようかな、って」
「あわよくば、こいつの夢を手伝ってやれたらな、って思ってさ」
「……誰かが助けてやらなきゃ、夢を持つことすら許されなかったんだよ」
私が知っている春香は、いつも笑っていた。
オーディションの様子を話すとワクワクしながら聞き耳を立てて。
収録の様子を話すと続きを急かされて。
けれど、それは本音だったのだろうか。
本当は私の話を聞きながら、内心穏やかではなかったのではないだろうか。
私が気まずくない様に、傷つかない様に、自分の心を押し殺していたのではないだろうか。
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