千早「賽は、投げられた」
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280:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 03:44:50.05 ID:UnTjGLwD0

「ハンカチ、取りに来たんだろう。しっかり者でも忘れ物をするんだな」

「はい、ありがとうございます」


置きっぱなしになっていたハンカチを手渡される。

お礼の言葉は何とか絞り出したものの、プロデューサーの顔を見る気になれない。

早く病室を出よう。

今何か声をかけられても、返す言葉は否定も肯定も思いつかない。

私は今、自分自身を見失っている。


「こいつさ、昔からアイドルになりたいって言ってたんだ」


帰ろうとした時、プロデューサーが春香の額を撫でながら言った。


「いつだったかなぁ。急に言い出したんだよ」

「小さい頃から明るかったけど、あんなに目を輝かせてるのは初めて見たな」


思い出すように話すプロデューサーの目は、優しかった。


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