274:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 03:23:10.14 ID:UnTjGLwD0
「仕事なんて二番目なの、私達にとってはね」
「水瀬さんらしくない言葉ね。家族を見返してやるってあんなに言ってたのに」
「全くよね。丸くなったものだわ、この伊織ちゃんも」
でも、仕事が二番目なら一番目は何?
私の失態に巻き込まれたことへの対応よりも、優先すべき大切なこと?
そこに、みんなが私を気に掛ける理由があるのだ。
私にはそれが分からない。
ここで仕事を優先しなければ、みんなの夢は遠ざかっていくばかりだというのに。
「みんな、トップアイドルになるためにあの事務所に入ったはず。それを差し置いて優先することなんてあるのかしら」
「じゃあ千早、逆に聞くわ。アンタはどうしてアイドルになろうと思ったの?」
「それは……」
「私はアンタも知ってる通り、家族を見返す為よ」
水瀬さんは胸を反らせながら宣言した。
「トップアイドルになってどいつもこいつも見返して、悦に浸ってやるためにアイドルになろうと思ったのよ!」
水瀬さんはそう。
では、私は――?
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