270:名無しNIPPER[saga]
2018/04/06(金) 11:45:55.48 ID:m2Fax+Wi0
病室に着いても、私の心は波立ったままだった。
「ねぇ、春香……」
返事はない。
「私、何か間違っているのかしら」
春香の手のひらは、夢の中と同じように暖かい。
でもその目は開かず、私の質問には答えてくれない。
「ねぇ、春香……」
返事がないと分かっていても、声をかけずにはいられなかった。
「みんながね、私のことを気にかけてくれるの」
「迷惑をかけても」
「距離を置いても」
「千早、千早ちゃん、千早さん、千早お姉ちゃん」
「みんながね、私の名前を呼ぶの」
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