千早「賽は、投げられた」
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24:名無しNIPPER[saga]
2018/03/28(水) 16:56:02.25 ID:+0zrf0Mn0


私は、無我夢中で手を伸ばした。

霞の中で、形も分からぬ何かを掴もうとして。

歌への想いをぶつけるように。

今は失き幸せな日々を探るように。

弟の笑顔にすがるように。


思えば、私は焦っていたのかもしれない。

幸せを目前にしているように見えて。

その実、背後はいつも崖っぷちだった。


さいころを振ろうと力んだ私の手のひらから。


ころん、と。


また、さいころが零れ落ちた。





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