235:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 10:23:34.65 ID:Uj/nf4tu0
「俺には何もできない」
プロデューサーは項垂れながら、スーツを握りしめる私の指を解いた。
「ただただ、春香が起きるまで待ってることしかできない」
「……悪い、千早。今日はこんなつもりじゃなかったんだ」
果実の種を噛んでしまった時のように苦い顔をして、私から目を逸らした。
春香がすぐ目の前にいるのに、私には何もできない。
その現実を突き付けられ、理解した時。
私は悔しくて悔しくて、唇を噛み締めた。
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