158:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:44:37.24 ID:8fWIK/550
「言うよ!」
たった今まで涙声だったのに、この言葉だけははっきりと口にした。
正確には、今も涙声であることに変わりはない。
ずっと弱々しかった声に、ぴしっと芯が通った。
どうしてか分からないけれど、命を削る様に絞り出した強さがあった。
「千早ちゃんは、最低なんかじゃない」
「千早ちゃんは、最悪なんかじゃない」
「私、知ってるよ!」
怖い。
彼女から向けられる言葉が、私を否定するようで。
「何よ……あなたが、私の何を知っているの!」
「いきなり出てきて、知った風な顔をして!」
私は叫んだ。
私が私であるための、最後の砦を守るために。
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