千早「賽は、投げられた」
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111:名無しNIPPER[saga]
2018/03/29(木) 21:27:00.11 ID:nKI6vhSl0


「わっ」

「でも少し、このままでいてもいいかしら。なんだか安心できるの」

「そっか。うん、いいよ。千早ちゃんがそうしていたいなら」


細い手が私の背中にも回される。

私はこの子に、どれだけ救われたことだろう。

触れ合う温度に混ざり、微かな鼓動が伝わる。

とくん、とくん、と。

抱き締めたら心臓が潰れてしまわないか、心配になるほどのか細さ。


「千早ちゃん」

「なに?」

「……ううん。やっぱりなんでもない、よ」


また、その表情をする。

何かを言いかけてから躊躇う表情。

それをなかったことにするかのように、私を抱く力が強くなった。




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