千早「賽は、投げられた」
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108:名無しNIPPER[saga]
2018/03/29(木) 21:12:58.11 ID:nKI6vhSl0

プロデューサーはポケットからハンカチを取り出した。

それを差し出しながら、私の顔を指差す。


「涙、出てるぞ」

「え……」


右手でそっと目元を撫でる。

指先には、雫を拭き取った跡が残されていた。

視界が少し滲んだ。


「プロデューサー」

「ん?」

「私、前に進めたでしょうか」

「……そうだな。千早にとっては大きな一歩だよ、これは」


プロデューサーはそう言い残し、私の肩を叩いてスタジオを出て行った。

その途中、他のスタッフにも声をかけていく。

声をかけられた人達は頷くと、片付けを中断して出ていった。



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