101:名無しNIPPER[saga]
2018/03/29(木) 21:04:21.31 ID:nKI6vhSl0
「千早ちゃん、どうして悩むの?」
「私はまた失敗するわ」
左右のイヤホンを、それぞれ二人で分け合う。
私の左頬と彼女の右頬が、かすかに触れて体温が伝わる。
「いい曲だね」
「ええ、本当に……いい曲」
耳を流れるメロディーを聴きながら、歌詞に目を通す。
目を瞑ると、幼い頃の在りし日々が脳裏を過ぎる。
心に突き刺さるように胸が痛んだ。
でも不思議と、耳を塞ぐ気にはならなかった。
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