4: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:50:58.30 ID:i93qXE2v0
叢雲は提督に背を向けてお茶の準備をしているためまだ今の提督の状態に気付いていない。
提督「……叢雲」
叢雲「何よ? 羊羹ならまだあるけどお昼前だから我慢しなさい」
提督「……切れた」
その一言を聞いた叢雲の動きがピタッと止まる。そしてふぅと一つ息を吐いてこちらを向いた。
叢雲「もう、仕方がないわねえ」
やれやれ、と言った感じで叢雲は言う。しかしどことなく嬉しそうな気がするのは自分の気のせいだろうか。
淹れたばかりのお茶を机の上に置き、叢雲は自分の膝の上に乗る。
叢雲が心臓の音を聴くように、自分の胸にしなだれかかる。……ふんわりと、椿のいいにおいがした。
提督「椿か」
叢雲「あら、よくわかったわね。白椿のいいのを熊野に教えてもらったのよ」
提督「お前によく合っている」
叢雲「ふふっ、ありがとう」
そう言って叢雲は顔を上げる。
叢雲「……ほら、こっち向きなさい。誰かが来たら困るのは一緒なんだから……さっさと始めるわよ」
提督「……ああ、そうしよう」
自分の手が叢雲の頬に触れる。それを合図として叢雲はゆっくりと目を瞑った。
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