3: ◆7OUWtrrklk[saga]
2018/03/22(木) 17:50:30.29 ID:i93qXE2v0
叢雲から渡された書類を次々に片づけていく。できれば昼休憩までには終わらせたいものだ、と考えながら提督はペンを走らせる。
どうやら叢雲は自分の分を片付けてしまったようで、ぐーっと上に伸びをして首を左右に振っていた。
提督「……すまないな、叢雲。休憩なら先にとっていい」
叢雲「何言ってんのよ。秘書艦として当然の仕事をしたまでだわ。……お茶を淹れてくるから少し待っていなさい」
提督「……助かる」
自分は口下手な方だ。昔からそれが災いし面倒に巻き込まれることも多かった。しかし叢雲は最初のころはともかく時が経つにつれて自分のことをよく理解してくれるようになった。
お茶を淹れている叢雲の背中を一瞥してから再び書類に目を移す。
そしてカリカリとペンを走らせる……走らせようとした。
提督「……」
ペンが、動かない。
それに気付くと同時に一気に体の力が抜けて行った。ピンと伸ばされた背筋はだらしなく猫背になり、厳格で提督然とした顔つきはのぼっとだらしない表情になって上を向く。
鎮守府にいる全ての艦娘にこの姿を見せたらほとんどの者は唖然とするだろう。それはまさしく醜態だった。
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