107:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 07:09:09.14 ID:EAF0Yir90
「当時、劇団では不穏な空気が漂っていた。
主演女優が死んだのは誰かが意図的に殺したからではないかと疑ったからだ。
それで彼女を殺したという疑いの目を掛けられたのが…山村貞子だ。」
当時、『立原悦子』という女性スタッフが貞子に疑いの目を向けた。
劇団の誰もが貞子が犯人ではないかと疑ったが生憎と証拠はなかった。
それでも誰もが貞子を疑った。
主演女優が死んだことにより貞子は代役とはいえ主演の座を得ることが出来た。
真偽はともかくそんな貞子に疑惑が掛けられのは仕方のないことだった。
「まあ俺は貞子が殺したとは思わない。
それに貞子自身もそのことを強く否定していた。
だが貞子はまだ駆け出しの身で…俺はただの学生アルバイトだ。
正直庇いたかったがそうなると俺にも疑いの目が掛けられる。
そうなれば将来ある俺の身が危ないと思い…結局俺は彼女を庇うことが出来なかった…」
「部長って若い頃から器が小さかったんですね…」
「『三つ子の魂百まで』って事だな。元々ヒーローになれない性分なんだろ。」
当時は貞子のことを庇えなかったと悔やむ内村。
そんな内村に皮肉を呟く伊丹と芹沢とそんな二人を諌める三浦。
とりあえず捜一トリオは置いといて内村は貞子の話しを続けた。
「だがそんな貞子を庇う男が一人だけいた。遠山とか言ったか。
当時の先輩スタッフだがそいつだけが貞子は犯人じゃないと庇った。
まあ今にして思えばヤツは貞子に惚れてたのだろう。だから庇ったのだろうが…」
そんなことを憎たらしげに語る内村。
恐らく自分が救いのヒーローになれなかったことを妬んでいるのだろう。
まあそれはともかくとしてそれでも内村の貞子に対する評価は大きかった。
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