108:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 07:09:37.76 ID:EAF0Yir90
「確かに疑惑は拭えなかった。
だがそれでも彼女にはそんなモノを軽く補う天性の美しさがあった。
黒く長い髪が印象的でそれにあの神秘的な美しさ…
もしあのまま銀幕の舞台で活躍していたら恐らく後世に名を残す名女優だったはずだ。」
「しかし、そうはならなかった。そうですね。」
右京の問いに内村は静かに頷いた。
それから内村はあの日のことを語った。
それは劇団飛翔が舞台『仮面』の公演を行った日のことだ。
「あの日は今でも忘れられない。
公演があった日のことだ。俺は雑用係として裏方に回りながら舞台を覗いていた。
舞台に立つ貞子の演技には人を魅了させる力があったのは間違いない。
劇は見事なモノだった、誰もが彼女に魅了していたよ。
しかしそんな最中だった、舞台の音響からある音声が流れてきたんだ。」
それは奇妙な音声だった。
『的中!』 『的中!』 とわけのわからない男の声だ。
観客の誰もが何かの演出だと思った。
しかし舞台の壇上にいた貞子はそうとは思えなかった。
本来なら優雅に役を演じ無ければならなかった貞子に激しい動揺が走ったという。
そんな音声に怯える貞子。しかし異常はそれだけではなかった。
それからさらに奇妙な出来事が起きた。
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