106:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 07:08:07.45 ID:EAF0Yir90
「45年前、俺は山村貞子と会っているんだ。」
ついにその重い口を開き語り出した内村。
それはかつて劇団飛翔で起きた出来事の一部だった。
「あれは俺がまだ学生の頃…
その劇団は飛翔と言って…そこそこ有名な劇団だった。
当時文学少年だった俺はそこでアルバイトをしながら演劇を間近で眺めていたわけだ。」
今の文学少年という発言に思わず苦笑いを浮かべる捜査一課の面々。
いつもならここで怒鳴り声のひとつでも上げるはずだが…
今日に限ってはその雰囲気ではなかった。
「ある日の事だ。葉月愛子という女が死んだ。
その女は劇団の主演女優だった。
葉月を失った劇団は厳しい状況に見舞われた。
公演を目前に控えていたのに主演女優が死んだので急遽代役を立てることになった。」
「その代役が山村貞子ですね。」
「そうだ。当時彼女はまだ研究生だったにも関わらずそれは見事に代役を演じた。
その姿は本来の主演女優だった葉月愛子以上の演技力と美しさを兼ね備えていた。
それを見た劇団の男連中は誰もが貞子を推した。」
あの偏屈な内村ですら認める貞子の美しさと演技力。
恐らくそれは素晴らしいモノだったはず。
だがそんな幸せの絶頂にいた貞子に不幸が訪れた。
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