【ガルパン】みほ「コンプレックスの檻の中で」
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1: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/19(月) 20:19:24.49 ID:pEP07f/C0
前作の後日談のようなものです。
前作:ex14.vip2ch.com

まだ書ききってないのですが、今週中に終わらせるくらいの気持ちでスレ立てしました。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/19(月) 20:20:27.07 ID:pEP07f/C0
西住みほは戦車道全国高校生大会で優勝した大洗女子学園の隊長である。
戦力に乏しい大洗女子学園を導いたその手腕と才能は、もはや「西住流」の肩書きがなくとも誰しもが認めるものだろう。
しかし他ならぬみほはまだ自分を認められずにいた。


3: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/19(月) 20:20:58.59 ID:pEP07f/C0
みほ「お姉ちゃんだったらもっと上手くできたんだろうな……。」

戦車を降りた後、ベットに入るとつい口に出てしまう。
みほの姉であり黒森峰女学園の元隊長である西住まほはその世界では知らない者がいないほどの指揮官だ。
西住流の家元として常に周りの期待に応えてきた姉をみほは尊敬していた。
以下略 AAS



4: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/19(月) 20:24:09.48 ID:pEP07f/C0
だからこそみほは苦しむ。
どうして自分はできないのか、逃げてしまうのか、自分の中で越えられない存在となった姉と比べてしまうのか。
もうなんども繰り返した自己嫌悪。
それはまほ率いる黒森峰女学院を倒した後も変わることはなかった。


5: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/19(月) 20:25:36.71 ID:pEP07f/C0
しかし変わったこともある。
逸見エリカとの関係だ。
嫌われていると思って避けていたのは過去の話で、今はお互いに支え合う大事な恋人だ。
月に何度かあるデートの後、みほの部屋に来ては慰め、 慰められ、体温を分け合う。
これが唯一姉に対する劣等感を忘れる方法であった。


6:名無しNIPPER[sage]
2018/03/20(火) 19:00:39.74 ID:oxBpjriB0
乙 続き待ってます


7: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:49:26.97 ID:f2yML0Is0
続き書きます。
というか書き終わったので全部投下します!


8: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:49:58.04 ID:f2yML0Is0
みほ「エリカさん、早く会いたいな。」

口癖のようになってしまった言葉を吐き出し、眠りにつく。
自分で作ったコンプレックスという名の檻の中で、エリカが傷を舐めにくる時を夢見て。


9: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:50:56.75 ID:f2yML0Is0
次の休日、みほとエリカは町に出かけた。
それは周りからは親友同士に見えただろう。
昔の2人では考えられないくらい近い距離で、買い物したりお茶したり、所謂普通のデートを楽しんでいた。

その後、いつものようにみほの家に行くと、エリカがいつもとは違う表情で切り出した。


10: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:51:50.77 ID:f2yML0Is0
エリカ「みほ、私たち、このままじゃいけないと思う。」

みほ「え……?エリカさん……?」

みほは頭でそれを理解していたが、理解したくなかった。
以下略 AAS



11: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:52:30.87 ID:f2yML0Is0
エリカ「はっきり言うわ。このままだと私たちはお互いに依存しきってしまう。そんなの、支え合っているとは言わない。」

エリカの厳しい言葉に、みほはうつむく。
厳しい言葉が正しいだけに、みほはなにも言えなかった。


12: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:53:08.81 ID:f2yML0Is0
エリカ「分かっているんでしょう?この関係は私たちが望んでいたものじゃないってこと。」

「その通りだ。」とみほは思った。
みほがエリカに抱いていた感情は、もっと暖かくてキラキラと輝いていたものであったはずだ。
決して冷たい檻の中でお互いの傷を舐め合うようなものではなかったはずだ。
以下略 AAS



13: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:54:18.93 ID:f2yML0Is0
みほ「でも、私……。」

エリカ「大丈夫、私がついているわ。」

エリカに優しく抱きしめられたみほはそれでも消えない不安感に怯えていた。
以下略 AAS



14: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:55:34.93 ID:f2yML0Is0
みほ「ごめんね、エリカさん。私に付き合わせちゃって。もう大丈夫だよ。」

エリカ「みほ……。」

みほが出した結論は逃げることだった。
以下略 AAS



15: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:56:44.01 ID:f2yML0Is0
エリカ「ふざけないで!私からも逃げるつもりなら、私はあんたを絶対許さないから!」

みほ「逃げるなんて……そんな……。」

エリカ「あんた前に言ったわよね?『同じ』だって、『気持ちがわかる』って!だったら私があんたのことわからないわけないでしょ!」
以下略 AAS



16: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:57:34.01 ID:f2yML0Is0
エリカ「私が強い?バカじゃないの!あんたに嫉妬して!隊長のようになれない自分を責めて!それに堪えきれなかった私が強いわけないでしょ!」

みほ「だったら!だったら……なんで私と一緒にいてくれないの?エリカさんとなら私……。」

エリカ「みほ、目を覚ましなさい。そんなの自分たちを苦しめるだけよ。今ならまだ間に合う。」
以下略 AAS



17: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:58:30.70 ID:f2yML0Is0
エリカ「みほ、お願い。わかって。」

エリカは何度も何度もみほに近づいていく。
以前自分がされたように、みほに力を与えるために抱きしめようとする。
その度にみほに拒絶され、ベッドにぶつかり、机にぶつかり、ついには怪我をしてしまうが、それでも諦めない。


18: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/20(火) 23:59:35.53 ID:f2yML0Is0
みほ「もうやめて!もう嫌だよ!エリカさんを傷つけたくなんてない!」

泣き崩れたみほを今度こそ抱きしめる。
みほはまだ逃れようと身を捩るがエリカがそれを許さない。

以下略 AAS



19: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/21(水) 00:02:22.85 ID:7x6aEUyY0
みほ「どうしてわかってくれないの?私は自分と向き合うなんてできない!」

エリカ「みほ、あなたのことはわかってるわ。あなたが自分を認められないのもわかるし、向き合うのが怖いのもわかってる。」

みほ「じゃあなんで!」
以下略 AAS



20: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/21(水) 00:03:14.19 ID:7x6aEUyY0
エリカ「あなたを、愛しているから。愛する人と幸せになりたい以上に理由なんてないわ。」

ハッキリとした、自信に溢れた口調でエリカが言うと、みほは諦めたように力なく言葉を返す。

みほ「……そんな、勝手すぎるよ。」


21: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/03/21(水) 00:04:08.67 ID:7x6aEUyY0
エリカ「何言ってるの?こうさせたのはあなたよ。私をその気にさせておいて、ただで済むと思ってたの?」

みほ「エリカさん……。」

エリカ「離さないわ。あなたが自分と向き合えるまで、ずっとずっとそばにいる。」
以下略 AAS



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