1:名無しNIPPER
2018/03/01(木) 04:20:27.17 ID:ryKMvAmv0
ルビィ「お姉ちゃん…今日お父さんとお母さん居ないんだって」
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2:名無しNIPPER
2018/03/01(木) 04:21:43.49 ID:ryKMvAmv0
『仕事相手の家にお呼ばれして思いのほか話が弾んでしまい帰れなくなりました、明日の夕方には帰るのでそれまでの食事は冷蔵庫のありものを使って作って下さい』
最低限の要件のみを記した短いメールがルビィの元へと届いたのは十六時を少し過ぎた頃だった。両親は基本、娘達への連絡を携帯の触る頻度の多いルビィに大体の場合送る。同時に送っても返信が早いのは妹の方で、ダイヤが気付くのは数時間経ってからの事がほとんどだった。
ダイヤ「そう、分かったわ」
3:名無しNIPPER
2018/03/01(木) 04:22:17.53 ID:ryKMvAmv0
ダイヤ「そこ、マイナスつけ忘れてる」
ルビィ「え……ど、どこ……?」
畳の敷かれた居間に置かれた机で額を突き合わせ、二人で正座で座る。宿題をするのはダイヤの言いつけ、それを一緒にやるのはルビィの発案だった。
一切の滞りなくシャープペンシルを運ばせる姉に正座すら慣れていない妹。対照的な姉妹だった。
4:名無しNIPPER
2018/03/01(木) 04:22:51.35 ID:ryKMvAmv0
小一時間経ったところで、ルビィが音を上げる。元々学業が得意な方では無かった。畳の床に手をつき、大きく息を吐き出す。時計の針は六時少し前を指し示す。外からの陽の光が部屋に深く差し込み、漆塗りの机を照らしていた。
ルビィ「お姉ちゃん…休憩にしよ…?」
ダイヤは深く溜息をついた。思えば、ルビィにしてはよく集中が持った方かもしれない。
5:名無しNIPPER
2018/03/01(木) 04:23:43.32 ID:ryKMvAmv0
水道の水をヤカンに注ぎ、火にかける。引き出しから頂き物の少し高い茶葉を取り出し、脇に置いておく。
ヤカンで湯が沸くのを待つ最中、今日の夕食の献立を決めるべく冷蔵庫の中身を確認する。黒澤家の冷蔵庫は基本的に物が少ない。母親が無駄を出すことを嫌い、必要な食材を二、三日分買うのみだからだ。
ダイヤ「ありものって……何も無いじゃない…」
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