48: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/06(火) 00:21:23.51 ID:AWCgvPWLo
「分かった。海美、認めようじゃないか。……ダンベルだったら置いても良い」
「ホントにいいの? やったーっ!」
「ただし! 認める代わりに家に帰れ。料理の方も出前を取るから大丈夫だ」
勝った。完璧な作戦である。P氏は海美に気取られぬよう細心の注意でほくそ笑んだ。
相手の提案を一つ飲み、代わりにこちらの案をも通させる。
おまけに氏はどさくさに紛れて二つの要求を通したのだ。
これを勝利と言わずしてなんと呼ぼう?
伊達に駆け引きの修羅場はくぐっていない。
小娘相手に負ける気はしない。
現に海美は「分かった!」と快く返事をし。
「じゃあ一回、プロデューサーに言われた通りダンベル取りに家に帰るね。ついでに買い出しも済ませて戻るから!」
待て、どうしてそんな流れになる? たまらず首を捻った氏には悪いが、
言語は周波数が合わねば意味はない。理解できなければ負けも無い。
「……ん?」と間抜けに訊き返すP氏に少女は笑顔で答えると、
目についたスケッチブックに何やらサラサラと書き始めた。
「だって冷蔵庫の中お酒と変なのしかないんだもん。お米は炊いてあったから……
キチンとした材料を揃えてきて、美味しいおかず作っちゃうね!」
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