47: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/06(火) 00:20:22.84 ID:AWCgvPWLo
「ねえプロデューサー。この辺に私用のルームランナー置いても良い!?」
開口一番、P氏の前へと戻るなり海美は焦った様子で提案した。
が、当然のようにこの申し出は彼に却下され。
「じゃあダンベル! ハンドグリップは? 私も女子力のカケラを残したいのっ!!」
「じょ、女子力とは形で残せる物なのか……?」
「多分、きっと、残せるはず……? とにかく! 私も何かプロデューサーの家に置きたいよっ!」
全くもって要領を得ない話である。P氏は頭を抱え途方に暮れた。
第一彼女は先ほどまで、自らの手料理を振る舞おうと無駄に息巻いていたというのにだ。
ものの数分と経たぬうちに今度は室内運動器具を置こうなどと――
ただこれは、考えようによっては有り難い話だと言えなくもない。
なにせ海美は日々「練習してる!」と言い張るが、
彼女のこしらえる"料理"の出来栄えは常々試食者のコメントを詰まらせてきたような代物だ。
本日もそんなシェフうみみが自慢の腕を振るったところで結果を予想するは容易い。
恐らく惨劇の食卓は免れまい。
ならば財布は多少痛めようと、胃袋がはちきれんばかりに膨らもうと、
ここは味の確実な中華料理屋にデリバリーを頼むが最良策。
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