46: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/06(火) 00:19:13.66 ID:AWCgvPWLo
これをP氏に対する信頼と友情、ひいては敬慕の証と捉えるか、
周りの恋敵へ対する僅かばかりのけん制と考えるかは見る者次第の任せ事。
……今、心新たに生まれ変わった海美は自信をもってこう答える。
「今までの私はお子ちゃまで、駆け引きの"か"の字も知らない阿呆でした」
まだ小さく頼りないとはいえ、海美が灯した恋の種火に照らし出される室内には女の影がちらほらと。
浮かび上がって来る違和感、次第に炙り出されていく不自然。
その一端に触れてみるだけでも、来客用のスリッパ群に圧迫されている玄関に、洗面台には歯ブラシがずらり。
食器棚には先にも述べたコップ類の他にも麺棒を始めとしたお菓子作りの道具一式に使い込まれたたこ焼き器。
本棚には多種多様なジャンルの本が絵本と混ざってごっそりと、
冷蔵庫の中にはお酒やつまみがぎっちりと。
部屋の隅ではアロマが焚かれ、ベランダを使用したガーデンには野菜が栽培されており、
テレビ周辺にはアイドル物のDVDとゲーム機が複数のコントローラーと一緒に収納されているではないか。
こうなってくると棚に並べて飾られた、別段怪しいところの見受けられないイルカやサメのぬいぐるみでさえ、
恋に目覚めたうみみアイを通せば誰かしらの主張が透けて見える如何わしい代物へと早変わり。
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