15:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:34:44.79 ID:miKl5BoQo
春香「……ごめんね、ありがとう!
えへへ、気をつけなきゃね! さ、次こそ完璧に踊るぞー!」
笑顔を浮かべて私から離れ、ダンスの準備をする春香。
でもその笑顔の直前、少しだけ寂しそうな顔をしたことに私は気付いた。
16:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:36:57.70 ID:miKl5BoQo
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春香「それじゃおやすみ、千早ちゃん」
17:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:38:39.04 ID:miKl5BoQo
千早「……春香」
明かりを消してから何分かが経った頃、仰向けのまま、呟くように。
まだ起きていることを祈るように。
私は名前を呼んだ。
18:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:39:36.01 ID:miKl5BoQo
春香の息遣いがほんの一瞬、途切れた気がした。
でも構わず続ける。
千早「ごめんなさい……。私、ひどい態度を取っていたと思うわ。
春香の好意から目を背けるようなことをして、本当に……」
19:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:40:19.16 ID:miKl5BoQo
千早「春香とのキスが、嫌だなんて、そういうわけじゃないの、ただ……。
……できない、って、思ったの……するわけにはいかない、って……」
春香「え……?」
20:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:41:33.65 ID:miKl5BoQo
春香「……おんなじ、だね」
千早「え……?」
暗くて何も見えないのに、私は思わず春香に顔を向けた。
21:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:42:29.76 ID:miKl5BoQo
ベッドが揺れた。
私のお腹の辺りに何か触れる。
春香の手。
そこから、探るように。
胸元、肩、首筋、そして頬に添えられる。
22:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:43:27.08 ID:miKl5BoQo
千早「っ……ぅ、っ……」
こんなにも鮮烈に。
こんなにも直接的に誰かの愛情を感じたのは、いつ以来だろう。
23:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:44:46.96 ID:miKl5BoQo
春香「っ……!」
自分の泣き声に混じって、春香が息を呑む音が聞こえた。
いけない、これではまた誤解させてしまう。
「自分がキスしたせいで泣かせてしまった」
24:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:45:57.58 ID:miKl5BoQo
頭を強引に引き寄せる。
勢いに任せて自分の顔を寄せる。
唇が、多分、頬の辺りに当たった。
違う、ここじゃない、もっと、右、ここ、違う、こっち、もっと……!
25:名無しNIPPER[saga]
2018/02/26(月) 21:46:43.00 ID:miKl5BoQo
私の体を、頭を、春香の腕が抱きしめる。
少し息苦しいほどに、強く。
私も春香を抱き返す。
そして、声を上げて泣いた。
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