92:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:58:34.03 ID:PoruoH2d0
「助手さん!」
助手さんは博士の言った通り、としょかんの丸みを帯びた屋根の上で腰掛け、夜の冷たい風に吹かれていた。
ぼくが来たことに気づいても、後ろを振り返ろうとはしない。
「……私のことが嫌いになりましたか?」
助手さんはぽつりと、独り言を放つように言った。
「なるわけないじゃないですか」
「博士さんも助手さんも、ぼくにとって大切なフレンズですから」
「…………」
助手さんはしばらく黙っていたが、やがてゆっくりと立ち、ぼくへ向かってぺこりと頭を下げた。
「ごめんなさい」
「いいんです……助手さんの気持ちは伝わってきましたから。驚きましたけど……」
「…………私自身も驚いたのです。なぜかばんの態度を見て、怒りがふつふつと込み上がってきたのか……」
「でも、今ならその理由が分かる気がするのです」
助手さんは月を見る。その顔は、博士さんの時と同じ表情をしていた。
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