82:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:53:25.02 ID:PoruoH2d0
真上から突き刺さる視線に、ぼくはただ耐えることしかできなかった。もうぼくの知っているサーバルちゃんじゃなくなったとさえ思った。
サーバルちゃんの爪は硬くて、鋭い。
ぐぐ……と手に込められる力がさらに強まって、痛みも苦しみもじわじわと増していく。
顔を涙が伝う。悲しかった。一度ストッパーが外れてしまうと、次から次へと止まらない。自分の視界が霞んで、ぼんやりとしたシルエットを残していく。
「やめて……痛いよ……」
「目を覚まして……ぼくだよ、サーバルちゃん……」
「思い出して…………」
掠れた声で、ぼくは言った。
「――――――?」
「かばん…………ちゃん?」
ゆっくりと目を開けると、サーバルちゃんの目に、いつもの生気が戻ろうとしていた。
両肩の食い込むような痛みも、少しずつ和らいでいく。
「あれ……私、ここで寝てたよね……? なんでこんなに散らかってるの……?」
「何があったの……?」
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