80:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:52:26.33 ID:PoruoH2d0
がちゃん!
「セルリアンめ! このっ、このっ、このーーーー!!!!」
物を投げ、花瓶を割り、喚き、叫び、枕をずたずたに引っかき回す。
サーバルちゃんはセルリアンに必死に抵抗していた。
見えないセルリアンに。
「サーバルちゃん! セルリアンなんてどこにもいないよ!」
「みゃあああぁぁぁーーーーーーーー!!!!!」
サーバルちゃんは耳を貸そうともしない。
ただ何かに取り憑かれたように、狂ったように暴れるだけだった。
傷だらけになったクッションが飛んできて、博士さんの頭にクリーンヒットする。助手さんもぼくの後ろで小さくなって怯えている。
止められるのはぼくしかいない。覚悟を決めたぼくは、一歩一歩、歩みを進めていく。
「サーバルちゃん……」
「フーッ……フーッ……!」
ぼくの存在に気づいたサーバルちゃんは、息を荒くさせながらこちらを向く。
毛は逆立ち、目の生気が完全に消えている。その姿は、本来の獣の姿に戻ったようにも思えた。
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