7:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 00:16:49.01 ID:PoruoH2d0
「いたい…………っ…………」
私の攻撃に怖気づいたのか、それともただの気まぐれか、セルリアンはぐるんと向きを変え、どすどすと地面を鳴らしながら走り始めた。
「ま、待って、かばんちゃ……っ!」
ずきっ
「いたっ……!」
慌てて追いかけようとすると、ずきん、と足にひびが入ったかのような痛みに体が固まる。
吹き飛ばされ、勢いよく地面にたたきつけられた私の足は、思うように動かなくなっていた。
「そんな……いやっ、だめ…………だめ…………!」
私は両手で地面をひっつかみ、這いつくばって前に進もうとする。
だが、そんな悪あがきをしたところで、セルリアンとの距離が縮むはずもない。
セルリアンの足音は遠ざかり、小さくなっていく。
「…………やだ…………っ………………かばんちゃん………………行かないで…………」
「いや…………いやっ………………いやだぁ………………」
やがて、音の一切が聞こえなくなり、私の体力が尽きて動けなくなった頃、
世界は真っ暗な闇に包まれた。
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