8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 00:19:15.37 ID:PoruoH2d0
「…………ちゃん…………かばん……ちゃん……」
「かばんちゃん!!」
「えっ?」
「うみゃっ…………あれ………………?」
「サーバルちゃん、どうかしたの?」
「あ…………かばんちゃん、生きてる……生きてるの?」
「え……何言ってるの?」
「かばん……ちゃん………………かばんちゃんっ!!」だきっ
「わっ、サーバルちゃん!?」どさっ
「よかった…………よかったぁ…………っ」
私は一目散にかばんちゃんに飛びつく。二人でごろごろとバスの中を転がって、バスの車体がぐらっと揺れた。
目の前のきょとんとしたかばんちゃんの姿を見ただけで、嬉しさと、安堵と、喜びでいっぱいになる。
ぎゅっと抱きついた場所から、かばんちゃんの体温がじんわりと伝わって、体と心を温めてくれる。
「本当にどうしたの? さっきまで苦しそうに唸ってたのに、起きたら急に飛びついて……」
「……あ、ごっ、ごめんね! 迷惑だったかな?」
「平気だよ。少しびっくりしたけど……それよりサーバルちゃんは……」
「え、えーっと、ほんとに何でもないから! 心配しないで!」
「そう? それならいいけど……」
かばんちゃんに嘘をついている背徳感からか、私はまっすぐに目を合わせることもできず、何も無い場所を見ながら言ってしまう。
ごめんね、かばんちゃん。でも、こんなこと言えないよ。
かばんちゃんが私の前からいなくなるなんて、そんなの私……
ずきっ
(いやっ!)
心臓に針がささったような痛みを感じて、私はすぐに考えるのをやめた。
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