53:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:30:34.02 ID:PoruoH2d0
目覚めは最悪と言っていい。
サーバルちゃんより先に起きたぼくは、顔を洗うために湖のほとりに向かっていた。
昨日は一晩中サーバルちゃんの体にしがみついて涙を流していた。つらいのはサーバルちゃんのはずなのに、ぼくの方がたくさん泣いている。
いつの間にか眠っていたらしいが、頭はずっしりと重く、本当に寝ていたのか疑わしくなる。
湖の水面に浮かぶぼくはひどい顔をしていた。散々泣き腫らしたあとで、目の辺りは赤く腫れ上がってしまっている。
こんな顔、サーバルちゃんには見せられない。
少しでも元に戻そうと、ぼくは湖の冷たい水で何度も顔を洗った。
ぼくが起きてからしばらくして、サーバルちゃんも目を覚ました。
「おはよう、サーバルちゃん」
「かばん……ちゃん…………おはよう」
魂が抜けてしまったかのような弱々しい声は、話しかけることさえ躊躇わせてしまう。
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