51:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:29:04.33 ID:PoruoH2d0
「…………ぁ……」
「サーバルちゃん! ぼくだよ、分かる?」
何度も何度も声をかけると、サーバルちゃんは虚ろに目を開けた。瞼の隙間から見える瞳孔は、明らかに不自然な方向を向いている。
「あれ…………かばんちゃん…………なんで…………」
「えっ……?」
「だって…………だって…………かばんちゃん、さっき……私の前で…………」
サーバルちゃんは青ざめていた。
声もたどたどしく、崖から崩れ落ちるかのように、一つ一つの言語が体裁を崩していく。
「セルリアンに…………セルリアンに…………」がたがた
「サーバルちゃん、落ち着いて!」
「いや…………いや
…………いや、いや、いや…………」
「いやっ………………!」
ぐらっ
「……………………」
「……サー……バル…………ちゃん?」
言葉が途切れ、目の焦点が定まりそうになったその時、サーバルちゃんの目は、再び硬く閉じられ――――意識を失った。
「そんな……………」
ほんの、ちょっとの間の出来事なのに。
それだけで、全てが伝わった。
サーバルちゃんの夢は、どんどん悪化している。
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