49:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:26:57.81 ID:PoruoH2d0
長い長い時間が過ぎて、ようやくサーバルちゃんはおとなしくなった。
さっきまで大泣きしていたのが嘘のように、今はすうすうと眠っている。
泣き疲れてしまったのだろう。普段めったに泣かないサーバルちゃんが、今日は二回も泣いたのだから。
「んぅ…………」
サーバルちゃんはごろんと寝返りを打ち、密着していたぼくの体から離れた。
おそらく、長時間ずっとくっついていたために熱くなってしまい、体が本能的に離してしまったのだろうけど、ぼくはそれを見て少し安心した。
サーバルちゃんはとても落ち着いた表情を浮かべている。ここ最近、ずっと苦しそうな寝顔しか見ていなかったぼくにとって、それは素直に嬉しかった。
そして同時に、ぼくは誇らしくも感じていた。この時、安らかに眠るサーバルちゃんを見て、ぼくは一種の余裕――ぼくが支えていれば、そのうちサーバルちゃんも元気になるはずだ――に近いものを感じていた。
言うなれば、ぼくは後のことを楽観視していたのだ。
「大丈夫……じきによくなるよ。それまでずっと支えるからね」
サーバルちゃんに対して、そして自分に対しての言葉を発したぼくは、サーバルちゃんの頭を撫でながら、次第に意識をまどろみの中へ消していった。
この時のぼくは、夢を甘く見ていた。
夢は、そう簡単に終わらない。
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