42:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 01:22:01.37 ID:PoruoH2d0
「…………」
どく
「…………」
どく、どく、どく
(……夢…………)
『かばんちゃんを、返してよーーーーーっっ!!!』
ずきっ
「っ…………!」
眠れない。
心臓のやかましい音から耳を塞いで、身体を小さくし、目をかたく閉じたとしても、どくんどくんという波の音は消えるはずもなく。
かばんちゃんはすぐ後ろにいるはずなのに、私はとてつもない孤独を感じていた。
また、あの夢を見てしまう。
見たくないものを見てしまう。一番恐れていたことを肌身で感じてしまう。
頭の中から、何か恐ろしいものが坂道をかけ上がるようにこみ上げてくる。
「い……や…………いやだ…………っ」
震える声と共に、私の目から一粒の涙が顔をつたった。
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