4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 00:10:06.22 ID:PoruoH2d0
「!!」がばっ
現実に引き戻され、飛び起きた私は、すぐさま辺りをきょろきょろと見回す。
今の、何?
木。野草。風の音。青い空。
セルリアンの姿は、どこにも見当たらない。
「すー…………すー…………」
隣で眠るかばんちゃんの寝息を聞いて、私はやっと我に帰る。私とかばんちゃんは木陰でお昼寝をしている真っ最中。夜行性の私が昼間に起きているのを心配したかばんちゃんが、私のために作ってくれた時間だった。
私が見ていたのはただの夢。
ただの、夢?
それにしては、あまりにもリアルだった。
本当に、あれは夢なの?
「ち……違う」
違う、違う、あんなの違う。あんなの現実じゃない。
あんなの、ただのまやかし…………嘘に決まってる。
私もかばんちゃんも無事に生き延びて、今こうして生きている。それは揺るがない事実のはずだ。
でも…………
それなら、どうしてあんなにリアルだったんだろう……?
どくん、どくん、どくん
「っ…………」
おいしい空気で満たされているはずなのに、呼吸はやけに苦しい。
心臓の鼓動はまだ収まらなかった。
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