3:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 00:07:03.54 ID:PoruoH2d0
地響きのような音。辺り一面の真っ暗闇。
何も見えないのに、「何かがいる」と野生の本能が感じ取る。
その「何か」は巨体の向きをぐるりと変えて、一つ目が、ギョロリと私を見つめている。
大きな、大きなセルリアン。
そのあまりの巨体に、思わず頭が真っ白になる。
逃げなきゃ――!
そう思った私は、すぐさま体を動かそうとする。
……あれ?
動かない?
いくら動こうとしても、体が言うことを聞こうとしない。逃げられない。
このままじゃ、私――――
どすん
「うみゃあっ!」
ぐらりと体の中心が傾き、その場で尻もちをついてしまう。
「いっ…………たた…………」
痛い。
ずきずきと痛みを感じて、体に力が入らない。
手でなんとか後ろに後ずさるが、それだけで逃げられるはずもなかった。それを見下ろすセルリアンは、大きな目を下に向けて、私をじっと凝視する。
あまりの大きさに圧倒されて、体から力が抜けてしまう。
ぐらっ
セルリアンは大きく傾いた。
ああ。
私、死ぬんだ。
セルリアンの体に飲み込まれる直前、私の頭に浮かんだのは、その言葉だけだった。
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