2:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 00:02:43.34 ID:PoruoH2d0
大切なもの。
離したくないもの。
かけがえのないもの。
失いたくないもの。
いつも近くにいるのが当たり前で、気がつくと忘れている時がある。
「かばんちゃん!」
サーバルの隣にいるのは、さばんなちほーで出会ったヒトのフレンズ、かばん。
「なあに、サーバルちゃん」
「手、繋ご!」
「うん、いいよ」
二人は片方の手をぎゅっと握り合って歩く。手から感じるのは、じんわりとした温もり。ぐっと握れば、相手からぐっと握り返される、小さな幸せ。
その温もりは、セルリアンによって、一度失いかけたもの。
そして、みんなで救い出したもの。
「こうしているとね、かばんちゃんがちゃんとここにいるんだな、って思えて嬉しくなるの」
「ぼくも、こうしているのは好きかな」
「えへへっ……かばんちゃん、これからも一緒だよ」
「……うん、もちろんだよ、サーバルちゃん」
あれから二人は、一緒にいる時間が増えた。大切なものをまた失ってしまうのが怖くて、何となく気がかりだったから。
二人は時々、あの時のことを思い出してしまう。そんな時――心臓がどくどくと波打つ時は、いつも互いの手を握る。
お互いの存在を確かめるように、お互いの鼓動を合わせるように、二人は横に並んで歩く。
誰にも負けないと自信を持って言える、強い絆と、何にも変えがたい、たくさんの思い出を胸にしまって。
もう大丈夫だよ。もう離さないよ。
二人は相手に、自分自身に、そう言い聞かせる。
そんな二人のもとに、それは突然やって来た。
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