28:>>26からかばんちゃん視点です[sage saga]
2018/02/20(火) 01:03:36.73 ID:PoruoH2d0
「サーバルちゃん、しっかりして! サーバルちゃん!!」
ぼくにもたれかかったサーバルちゃんは、いくら声をかけても、一向に目覚める気配がなかった。
どうすればいい?どうしたらいい?
突然の事態に頭が混乱する。
「とりあえず、どこか安全な場所で休ませた方が良さそうですね……」
「……そういえば、この森を抜けた場所に『こはん』がありませんでしたっけ?」
「はい、ビーバーさんとプレーリードックさんが住んでいる……」
「そうそう、そこです。あそこならサーバルもゆっくり休めると思いますよ」
キンシコウはぼくに言った。こんな時でも、彼女は相変わらず冷静だ。ぼくにはその姿がとてもたのもしく感じられた。
「ただ、ここからだと少し距離がある場所ですけど……」
「それなら大丈夫です、ジャパリバスが……」
「…………そうだ、動けなくなってるんだった……」
セルリアンやサーバルに気を取られてすっかり忘れていたが、ジャパリバスはタイヤが挟まり、いまだに動けないままだった。このままだとどうすることもできない。
普段なら何かいい方法が思いつくのに、肝心な時に限って、何も良いアイデアが浮かんでこない。
「うう……どうすれば……」
「…………おい、リカオン。ちょっとこれ持っててくれ」ぱしっ
「えっ、別にいいですけど、何かするんですか?」
「……バスを押し出せばいいんだな?」
「えっ、ヒグマさん、やるんですか!?」
「あ、あまり無理しない方が……」
「つべこべ言うな。黙って見てろ」
ヒグマはバスの後部に手をかけると、両手に思いきり力を加え始める。
その途端、ずずず……と動きだし、バスはものの十秒ほどであっという間に押し出された。目の前の出来事に、キンシコウとリカオンまで驚いている。
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