26:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 00:58:04.38 ID:PoruoH2d0
サーバルちゃんがおかしい。
それが可能性から確信に変わるまで、そう時間はかからなかった。
「ね、かばんちゃん。また手を繋いでいい?」
「うん、いいよ」
ぎゅっ
「…………?」
「っ……」
最初に違和感を感じたのは、手を握った時。
いつもより強く、僅かながら震えていたその手は、
まるで、ぼくが離れるのをひどく恐れているようだった。
「サーバルちゃん」
「…………」
「サーバルちゃん!」
「えっ…………どうかしたの、かばんちゃん?」
しばらく経つと、今度は意識を朦朧とさせるようになった。
目はうっすら半目で、考え事をしているのか、それとも何も考えていないのか分からない顔で、ただ何もない空虚を見つめていた。
話す時も、はきはきした声ではなく「へえ……」とか「そう、なんだ」と素っ気なく、やんわりした返答が返るだけ。
サーバルちゃんがサーバルちゃんじゃなくなったみたいで――――まるで何かに取り憑かれてしまったように見えて、ぼくは怖かった。
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