23:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 00:50:54.57 ID:PoruoH2d0
パニック状態に陥った私は、頭を抱え込んで、狂ったように叫び出す。
「いやっ!! いやああっ!! やだあああああぁぁぁっ!!!」
「サーバルちゃん、どうしたの!? 落ち着いて!」
「やだっ、やめてよっ!! かばんちゃんを奪わないでえぇっっ!!!」
「サーバルちゃん!!」
また、失う。
奪われる。
殺される。
目の前にかばんちゃんとセルリアンが並ぶだけで、あの映像が、あの巨体が、あの黒い黒い漆黒の闇が蘇ってしまう。
頭の中心はぐらぐらして、目は涙で濡れて、手足はがくがく震えて、恐怖に全身が包まれて。
頭がどうにかなってしまいそうだった。
かばんちゃんが私のもとへ駆け寄り、何か声をかけているらしいが、当の私はパニックになっていて何も聞こえない。
そうこうしているうちに、セルリアンは既にかなり距離を狭めていた。
かばんちゃんにも武器のたいまつはあったが、今から取り出しても間に合わない。
襲われるのを覚悟し、かばんちゃんが目を瞑ったその瞬間――
三つの影が、私たちの上空を駆け抜けた。
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