22:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 00:49:44.94 ID:PoruoH2d0
「あ」
「サーバルちゃん……?」
「う……し……ろ……」
「……!!」
私もかばんちゃんも(そしてボスも)、お互いバスに夢中で全く気がついていなかった。かばんちゃんの背後から、セルリアンがわらわらと出てきていたのだ。
「セルリアン!……とりあえず、今はここから逃げよう!」
ガサッ
「!!」
逃げようとするかばんちゃんを遮ったのは、さらに別のセルリアン。背後だけじゃない。四方八方が埋め尽くされ、私たちは完全にセルリアンに取り囲まれていた。
数は少なくとも十体以上。さらに部の悪いことに、さばんなちほーでかばんちゃんが初めて出会ったのより少し大きいサイズの個体だらけだった。
「…………サーバルちゃん、悪いけど協力してくれるかな? ぼくが松明に火をつけてセルリアンを引きつけるから、そのうちに――――」
「――サーバルちゃん?」
「あ、あ、あぁ…………」
喉の奥に何かが詰まったように、私は上手く呼吸ができなくなった。バスの側面に背中がついて、これ以上動けなくなる。
じりじりと、少しずつ、確実に近づいてくる恐怖。無機質無感情な一つ目が、こちらを覗き込むように目を向ける。
怖い
怖い
怖い
怖い……!
「いや……いや、いや、いや、いや」
「サーバルちゃん、聞こえ――――」
「いやあああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「サーバルちゃん!?」
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