67: ◆9Vso2A/y6Q[saga]
2018/04/06(金) 18:10:50.42 ID:LZXIfz580
【意味なんてなくてもいい】
かたりと音を立てて、紙の斜め前に缶の飲み物が置かれた。手元を照らせる程度のクリップライトの明かりを頼りに作業をしていたから、少しだけ驚いてしまった。
手を止めて見上げた先には未来くんが立っていて、缶を指差してからどうぞと私に向けて手を差し出した。
「てっきり、今夜はもう帰ったのかと思ってたんだけど」
「いろいろやること残ってて」
「そっか。……終わりそう?」
二、三秒の沈黙。
「……終わらないことはないよ、多分」
どうやらそれなりにやばいらしい。
描きあぐねている様子は前々から見て取れていたから、ちょっとはわかっていたけれど。
「東雲さんはどう?」と問いかけられて、
「私も未来くんと同じ」と答えると、彼はなぜかほっとしたような吐息をもらす。
怪訝に思い首をひねると、取り繕うような苦笑いをして「いや」と彼もまた首をひねった。
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